
葉山を継ぐStory
葉山の総鎮守 森戸大明神宮司の少年時代
守屋 大光 さん
葉山町堀内・昭和17年生まれ

提供:森戸大明神
「森戸大明神」の境内からは青い海、菜島(名島)の鳥居、江ノ島、富士山などの美しい眺望が広がり、季節の木々や植物が楽しめます。厳かな空気と海辺の清々しさが相まった参道は、気持ちのいい散策スポットでもあります。
源頼朝公創建の葉山総鎮守「森戸大明神」。御本殿は400年以上の歴史を誇り、葉山町重要文化財に指定されています。葉山の人々に愛される「森戸大明神」宮司、守屋大光さんに葉山での少年時代について伺いました。
海や山は最高の遊び場。自然のなかの遊びは教養の土台になる
昔、漁師さんたちは「タカッパ」と呼んだのですが「タカノハダイ」などがよく獲れました。柴崎あたりでは、30分ほどあればバケツいっぱいのサザエがとれましたね。泳いだあとは寒いから薪を持っていってマッチで火をつけて、焚き火で暖を取ってね。獲ったばかりのサザエを焼いて食べて、美味かった。海へ行くときは藁草履でした。ゴム草履は昭和30年代くらいからではないですか?ゴムぞうりは滑るけれど、藁草履は海辺の苔むした岩の上だって滑らない。でも、布で作った鼻緒が切れちゃうんです。昔は、日常は下駄と草鞋でした。三ヶ岡山でもよく遊びましたね。倒木の上を走ったり、枝にぶら下がったり、いくらでも遊びがあって最高に楽しかった。自然の中での遊びを通じて、魚や草花の 名前も覚えるし、季節感も体感できる。本当の意味での教養が身につく土台になると思います。
子ども時代に流行した遊び
冬にはウグイスやホオジロ、メジロなど獲りにも行った。小指くらいの細い竹にとりもちを巻いて仕掛けを作りました。メジロは賢くてね、とりもちに掛かって重みでくるっと逆さまになってもバタバタしない。時間とともに、とりもちが伸びて下へ落ちてくるのを待ってから、飛んで逃げていく。ウグイスは暴れて羽がくっつくから、結局、逃げられなくなるんです。
小鳥を捕まえるパッチンも作りましたよ。藤蔓を使うとすぐに張力がなくなってしまいますが、ワイヤーロープを使うと、もちがよかった。11月頃から、メジロやウグイスを捕まえて飼いましたね。ウグイスは春になると鳴くで しょう?3月頃の夜明けと日暮れの時間に錯覚させるために、布をかけて光量を調整するんです。すると、春だと勘違いして12月くらいから鳴きはじめる。子どもながらにどこからか聞いてきて、工夫をしていましたね。全部が遊びでした。竹を使った遊びもずいぶんやりました。鉄板に丸い穴が開いた竹ひごこき(引き)を使って竹ひごをつくり、不格好だったが鳥籠も作りました。

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